おばあちゃん
私のおばあちゃんは認知症でした。
早くにおじいちゃんは病気で天国にお引越しし、子どもたちは結婚してそれぞれ家を出て。
おばあちゃんは、一人になりました。大きな家で。
働いたことがあるわけでもなく、ただただ日常が過ぎていく。
幸いなことに、大きな病気はなく・・・それだけが救いでした。
それでも、どんどん物忘れは激しくなり、一人で住むことが難しくなり・・・いよいよ、おばさんの所で住みながらデイサービスに通う。会うたびに、口数は少なくなり、笑顔が少なくなる・・・。
そして、施設に入所してからは進行が速かったと思う。
「どちらさんですか?」
「ああ、そうなんですねー」
全く、そう全くと言っていいほど覚えてくれていなかった。
寂しくて、悲しくて・・・自分の生活のこともあってなかなか会いに行くこともできなかった。
今はそのことを、本当に後悔している。
ベッドの上で、ぼーっと外を見たり、見てもないテレビをつけたり。
「早くお迎えが来ますように」
そう短冊にお願いごとを書いていたおばあちゃん。
その翌年、天国にお引越しをした。
認知症になっても。
病気になっても。
動けなくなっても。
幸せに過ごせる方法はないのかな?
そんな想いが募る。
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